越境とは？

そもそも越境とはどのような状態を指すのかというと「境界を超えること」です。建物の場合、建物・付属物が敷地の境を越えている、もしくは跨いでいることを「越境」と呼びます。

樹木の場合、枝や葉が敷地の境界線を越えて隣の家まではみ出ているケースも、越境です。家の敷地に近所の家から伸びてきている木の枝や落ち葉が入ってきてしまっていることを、樹木の越境被害といいます。

樹木の越境被害はどう処置をするべき？

樹木の越境被害がある場合、大前提として知っておかなくてはいけないのが「所有地に越境している樹木であっても、勝手に伐採することは禁じられている」ということです。

敷地内なのだから自由にしてよいと間違った認識をしている人は多いのですが、樹木は近所の家の所有物であることに変わりはありません。民法では、伐採を依頼することができる、という規定があります。

まずは切ってもらえるように相談しよう

上記を踏まえ、まずは隣・近所の家にはみ出している樹木の枝を切ってほしい、と相談しましょう。ほとんどの方は申し出ればすぐに対応してくれることが多いです。

しかしある程度年齢を重ねている人の場合、個人で切るのが難しいから自由に切って構わないといわれることがあるかもしれません。その際はトラブルにならないように、どのような切り方をしてもよいのか、業者に依頼する場合はその費用をどうするのかなど、しっかりと話し合ったうえで同意書をもらっておきましょう。

所有物が傷つけられる

入ってきてしまっている枝が風にあおられ、ベランダに置いてあるものに接触して倒される、家の壁に傷がつくなど、様々なリスクがあります。接触して倒れたものが通行人に当たってケガを負わせてしまう可能性もあるのです。

この場合は隣・近所の家に損害賠償の請求は可能ですが、手続きも面倒で関係性がこじれてしまうので、そうなる前に処置を施しましょう。

落ち葉や害虫の被害

枝についている葉や虫が敷地内に落ちてしまうと、その害虫が育てている植物に被害を及ぼしたり、家の中に入ってきてしまっていたりする可能性があります。敷地内に落ちた落ち葉や害虫の処理は敷地の所有者が行わなくてはならないため、無駄な手間が増えてしまうのです。

まだ何も影響がなければ、切ってほしいと相談に行くのも面倒だからとつい放置してしまいますが、放置している間に大きな問題が発生することも少なくありません。まずは相談に行き、お互いにどのように処置をするのがよいのかをしっかり話し合いましょう。